こんにちは、義歯専門ホームページ@浦安市さくら通りみなみ歯科医院へようこそ。
院長の南一郎です。
当院の自費で作製する義歯の最大の特徴は、義歯を入れることにより、残った歯をできるだけ守るように配慮しているところです。この概念は説明が難しいので、分かりやすくかみ砕いて義歯の特徴について説明します。
お口を開けたり閉じたりするときに入れ歯が浮き上がるのは、顎の形が変って入れ歯を動かしてしまうことが原因です。例えば、下図をご覧下さい。
H・T様 男性(64)
治療内容:スプリントを用いた咬合修正
治療の期間・回数:2か月・6回(印象・咬合採得、咬合修正・調整4回)
治療の価格:総額220,000円※最終的な義歯やインプラントには別途費用がかかります。
※自費診療となります。
治療のリスクや副作用:強い力をかけると割れる(欠ける)可能性があります。土台となるご自身の歯に負担がかかります。耐久性がやや劣るため、数年後に再作成が必要になる可能性があります。
左下の奥歯の治療用の入れ歯ですが、黒い線が引いてある部分が筋肉の走行です。これだけ複雑に色々な筋肉が色々な方向に走行しています。たくさんの筋肉が色々な方向に収縮することにより、入れ歯に当たって力がかかります。顎を動かす度に入れ歯が動く状態では、バネがかかっている歯に負担がかかってしまいます。これを避けるために、小さい義歯を作製することも多いと思います。しかし、面積が小さい義歯はそもそも体重のように重くのしかかる力を受けることはできませんし、小さくしても当たるところは当たるのです。
こうならないように、筋肉の動きに調和するように作る必要があります。そのためには、顎を動かした方向と筋肉の動きの関連性を熟知する必要があります。型どりするときに個人トレーというお口に合わせて作った手作りのトレー(青い部分)に熱で変形する材料(黄色)を巻き付けて筋肉の動き(赤矢印)をインキすることで、これが可能となります。
頬の面だけを説明しましたが、内側の部位はもっと複雑です。この後、義歯の粘膜部位にはすべて筋肉の動きをインキして、その後シリコン印象剤を用いて適切な圧をかけながら型どりします。
入れ歯が”かぱかぱ”するのは、残った歯と入れ歯の金属の連結が弱いことからもおこります。良い入れ歯は、金属部分と歯ががっちりと連結して動かない工夫がしてあります。例えば、図をご覧下さい。入れ歯のバネがかかる歯にはしっかりと形が掘ってあるので、金属が歯にがっちりと嵌合するようにしています。さらに、嵌合している歯と入れ歯の金属は直交しているのが、分かると思います。これは、残った歯の歯周病が悪くならないように配慮した設計となっています。
入れ歯の設計は動かない入れ歯を作るためにはとても大事です。これを行う為に、サベイヤーという、下の図の装置を使って入れ歯の着脱方向を決定したり、歯に負担のかからないように装置の走行を決めたりしています。下の右図でAの図では入れ歯ががたがた動いて歯に負担がかかるので、Bの図の様な接触をするようにと、歯の形をどのように変えると入れ歯が安定するかを調べてから設計をしています。
部分入れ歯はバネが沢山かかって目立ってしまうというイメージがあると思います。しかし、院長自らが義歯の設計をすることにより、目立たないバネの置き方をする工夫をしています。バネの数を減らすと当然安定しなくなるのが一般的な考え方ですが、目立たない所で、歯と入れ歯の連結強度を高める事により、外から見えるバネは最小限で済むようにしています。例えば、上で示した方だと、奥歯のみバネをかけることで対応して、審美性に配慮しています。
ここでは、下の図に示すように、入れ歯に把持(ブレーシング)を効かせるのが重要です。ブレーシングは、義歯の着脱方向と平衡な面を沢山つくることにより、義歯の着脱が1方向しかできないように規制することができるので、がたがた動かない義歯を作ることが可能になります。また、外れないようにする”押さえ”も最小限にすることができるので、バネを少なめに設定することができるようになります。
下に示す上段の写真では、バネが前歯にかかっています。この場合、奥の歯に歯の根が残っていたので、コーヌスクローネという装置を用いる事により、バネを使わない方法とすることができました。(コーヌスクローネ価格 歯1本あたり220,000円+義歯本体価格)当院では難易度が高いコーヌスクローネ義歯も行っております。
I・T様 女性(73)
治療内容:右上3,左上3にコーヌスクローネ、左右4567に義歯装着を行ったケース
治療の期間・回数:2か月・7回(印象採得、内冠印象、内冠取り込み印象、咬合採得、試適2回、義歯装着)
治療の価格:総額1,100,000円<内訳>右上3,左上3のコーヌスクローネ内外冠(22万円×2)、金属床の料金(44万円)※自費診療となります。
治療のリスクや副作用:土台となるご自身の歯を削る必要があります(削る量は個人差があります)。内冠を入れている歯は虫歯のリスクが高まります。一度摩擦力が弱まると、修理が困難になる可能性があります。治療時に出血を伴う可能性があります。
奥歯が欠損している場合は前歯に金属をかける必要が生じますが、なるべく目立たなくなるように工夫しています。下の写真では歯の根元に金属が見えていますが、笑っても、唇があるので、前歯は根本まで見えることはありません。これは、普通に作ると滑り落ちやすい方法なのですが、歯と入れ歯の連結強度を高めることにより、可能となる方法です。
違和感を感じやすい部位は多くの人で一致しています。どこにどういう走行をすれば違和感が少なくなるかについて、数多く研究されています。当院では、違和感が極力減らせるように配慮した設計をしています。例えば、下の写真をご覧下さい。前から見るとノンクラスプ(バネのない)入れ歯となっています。金属床義歯にノンクラスプ義歯を組み合わせることにより、審美性が高く、さらに装着感の良いものができます。(義歯本体価格+ノンクラスプ両側設計82,500円加算、片側設計55,000円加算)
T・S様 (72)
治療内容:金属床義歯ノンクラスプ加工義歯
治療の期間・回数:5回(印象採得2回、咬合採得、試適、装着)
治療の価格:総額522,500円<内訳>義歯のみの料金44万円、ノンクラスプ加算82,500円
※自費診療となります。
治療のリスクや副作用:強い力をかけると割れる(欠ける)可能性があります。土台となるご自身の歯に負担がかかります。耐久性がやや劣るため、数年後に再作成が必要になる可能性があります。
金属床義歯は薄くても頑丈なので、違和感を少なくすることができます。さらに、設計をするときに、統計学的に違和感が少ないとされる装置やバーを選択しています。例えば、上の写真では、左右をつなぐ金属は上あごのあたりを走行しています。これは、研究結果によって一番違和感を感じにくい部位(上顎第一大臼歯を繋ぐ部位)に走行させています。さらに断面の形状も違和感を感じる原因となるので、上辺縁と下辺縁の形状はナイフエッジ(尖った先端)にすることにより、段差を感じにくくしています。真ん中を通るところは斜めにしないで直交させています。これも、時々、斜めでは違和感を感じるケースがあるからです。また、人工歯が入る義歯床(ピンク色の部分)をできるだけ小さくして、金属部分を広げることにより、より薄くて違和感の少ない義歯となります。このように金属の走行や形状一つとっても、細かな配慮がされた形状となっていますが、これも、院長が自ら義歯の設計を行い、細かな部位まで製作内容を指示することにより可能となっていると考えています。
入れ歯の設計は、院長が自ら模型に記載して技工士に製作を指示しています。金属の幅、厚み等も細かく指示しています。ここで、形状、設計をシンプルにすることにより、汚れにくくて壊れにくいものとしています。義歯が汚れにくい設計はもちろんのこと、義歯を入れる事により歯が汚れやすくなるのを防ぐような義歯装置の走行を考えています。そのためには、下の症例のように歯面からできるだけ離す、もしくは逆にしっかり覆うことにより、残った歯を汚さないようにしています。
壊れにくい義歯とするために、義歯が受ける力を効率的に残った歯に分散できるような設計をしています。
残った歯を痛めないような工夫が沢山されています。
入れ歯は、一歩間違えると抜歯装置になってしまいます。そうならないために、義歯の着脱、残った歯にかかる力の方向等をコントロールしています。そのために、設計するときに着脱するときの方向性を上の図のような、サベイヤーを用いて測定をして、その後、型どりをする前には、歯の形をすべてきちんと整えてから義歯を作製しています。歯の形をしっかり整えることが、入れ歯を動かないものとするのに重要なステップです。
また、入れ歯の装置をかける歯が問題ない場合、弱い場合、数ヶ月で抜かなくてはならない状態によっても、設計は当然変わってきます。歯の状態に応じて、装置を使い分けています。そのために、装置をかける歯を支える骨の残り具合、歯そのものの残り具合等、しっかり診査をして進めています。基本的に最低10年は使用できるように考えて設計します。抜歯に至る可能性が高い歯に対しては、歯を修理して追加できるように設計しています。
入れ歯を入れる一番の目的は残った歯を守ることにあります。残った歯を一つ一つ状態を細かく診査をします。入れ歯には、単にバネをかけるという感覚ではありません。入れ歯の装置を設計するときは、入れ歯が沈まない方向に支える支持、がたつかないように支える把持、外れないように抱える維持の3つの力に分けて設計します。それぞれの歯の状態を歯周病の状態や、骨の状態、歯の残り具合から、歯にどの程度入れ歯からかかる力を受けることができるかをしっかり評価して入れ歯が歯にかかる装置を決定します。弱い歯には、弱い力しかかからないように設計することで、今残っている歯を長持ちさせることができます。入れ歯はどこにどのような力をかけるかを設計するのが最も大事なことだと考えています。
そのために一番始めにするべきことは、歯周病の治療と虫歯治療などです。他院で今後もかかる予定という方以外は全員当院で歯周治療を進めさせて頂きます。磨き残しがない状態で、歯周病が安定した状態でなければ、義歯作製はできません。それは、義歯を入れてからの予知性が得られないからです。歯周病の安定等が得られたら、まず始めにスタディーモデルと呼ばれる、治療計画を立案するための型どりをします。こうしてできあがった模型は入れ歯を作るための模型ではありません。あくまでどのような義歯を入れるか、どの歯に力をかけるのかを考えるために作る模型です。
保険義歯は、レジン床義歯とも呼ばれます。ほとんどは、プラスチックでできた床という部分とクラスプと呼ばれるいわゆるバネで構成されます。厚みがでるため、装着感覚が良くないと言われています。自費の金属床義歯と比較すると、一般的に言われていることは、薄くできて熱を通すので、装着感や食事の感覚の違いや、壊れにくい、長く使えるなどの説明がされていると思います。我々義歯のプロからみると、金属を一塊で鋳造(金属を作ること)できることのメリットの方が大きいです。義歯が剛体になるので、がっちりと連結固定されます。それも、平行に入る面を沢山設けることにより、可能になります。保険の義歯ではこれができません。また、バネに使用する装置はクラスプと呼ばれる装置しか方法はありません。設計方法はどの歯にバネをかけるかという形になります。バネがかかる歯は負担が生じるようになるため、悪くなってしまうリスクが高いです。
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休診日:木曜・日曜・祝日